VAIOはなぜ存在感をなくしていったのか?──ソニーPC事業売却…で思いに耽ってみた

VAIOというブランド力がどれだけ高かったのかは、散見される投稿・記事…etc.の数を数えればわかる限りですが。

 

まあ、おいらもVAIOを使っているし、今後のサポートのことも考えると他人事ではない部分もあるのです。
ひとまず、ソニーで売ったものは今後もサポートは継続するとのことなので、一安心な訳ですが、それとは別に思うこともいろいろあるわけですよ。
如何せん、近年のおいらはソニー信者っぽくなってますからね。
いや、心情的にじゃなくて、アイテム的に。
テレビはブラビア、ガラケーもサイバーショット携帯、スマホもXperia UL、タブレットもXperia Tablet Z、PS3+nasne+Torneは現役、Vitaは休戦状態だけど(^_^;
もちろん、ウォークマンもあるよ。
ああ、忘れてはいけないカメラもサイバーショットとNEX-6。
一つのメーカー製品でこんなにあるのはソニーだけだ。
特にVAIO(先代)からは心のどこかにソニー製品の選択優先度が高い気がしている。
もちろん、ソニーだから買ったわけではないけどね。ちゃんと、性能などを比べて決めたことだ。うん、贔屓はない…(たぶん)

日経トレンディの記事は経営的な視点からの記事であり、まさに、低価格路線に踏み込みすぎたことがすべての元凶…とまでは言い切ってはないが、一番大きい要因ではないか?と語っている。
もちろん、そればかりではない。物事には要因が1つなんてことはなく、様々な要因が影響を与え合った結果だけが表面化するものである。
まあ、その辺はいろいろな人がいろいろな視点から語っていますから読んでみると、おもしろいですよ。

おいらがこのニュースを聞いて思ったことといえば、「日本のエレクトロニクス産業はいつまで物理技術優先」なんだと。
確かに、物理技術があってこその製品ではあるとおもう。
小型スリムにするんだって、技術の賜だし、長時間駆動にするんだって、技術の賜だ。
しかし、それを使うのは人間であり、機械ではない。
何が必要になるかと言えばそれをコントロールするためのソフトウェアでしょ?とおいらは思う。
特に、高度化した技術の塊である現代のエレクトロニクスアイテムは物理ボタンなんていう固定的なUIでは使いこなせない。
ディスプレイから選択するメニュー型UIじゃないと、とてもじゃないけど使いこなすどころか動かすことですら至難の業になりかねない。
まあ、要するに、今の時代、どれだけソフトウェアが大事なのかと言うことでしょ。

1年以上前にも似たようなテーマで書いたが[1]アップルのUIを賞賛したのですが、iTunesをコアとするエコシステムもすばらしい。もっとも、連なるアイテムの数が数えられる程度しかないし、しかもみんな派生製品ばかりだから優秀と言っていいものかどうかは微妙な部分でもあるけれど、少なくともこのエコシステムを一度でも手に入れたらこの生態系外のアイテムはなかなか手を出しづらい環境になるとは思う。
そういう意味ではすばらしい。

ではでは。
対するソニーはどうだったのか。
確か、現社長の平井さんが「ONE SONY」という指標を掲げて船出したんでしたよね。
「ソニーを象徴するような製品を」
というのは、個々の製品でソニーを体現させると言うだけなら、ただの技術の寄せ集めでしかないとおいらは思う。
技術なんて言うのは所詮、後から追いつき追い抜かれるもの。
だからといって走るのをやめてもいいと言うことではないが、そこにだけ集中していても何も変わりはしない。
そんなことは今までもやってきたでしょ。

むしろ、おいらがこの「ONE SONY」というキーワードから期待したものは「ソニー製品だからこそのエコシステム」。
もちろん、今のソニー製品にはそれがないっ!というわけではない。
ブラビアからnasneがコントロールできたり、Xperia Linkでタブレット側からの操作だけでテザリングが使えたりする。
こういう断片的なエコシステムは今でも存在するけど、結局、すべてが断片的なんですよ。
しかも、それぞれのUIはそれぞれ独自仕様だし、正直に言って、重いだけでそれを補ってあまりある使い勝手ではない。
今回はVAIOの話なのでVAIOで言うならば、昔に逆行するようだけど、Xperia HomeをVAIOに乗せてしまえば良かったんじゃないのかと思う。
Windows95のあと、しばらくメーカーは独自のを乗せてPCを売っていたよね。
それをやってしまえば良かったんじゃないかと思う。
個人的にはtorneをHomeアプルにしてしまえよとか思うんですけど…もちろん、そのままじゃテレビ関係でしか役立たずなのでだめでしょうけど、あのシンプルさはiTunesに負けていないと思うんだよね。
もちろん、あのUIはゲームのコントローラーを前提としたUIだからもう一工夫必要だとは思うけど、そのまま転用できないと言うほどのものでもないと思うんだ、うん。

もっと、全社的なソフトウェア戦略を考えないとだめだと思う。
アップルはそこをうまくやっている。
ぶっちゃけ、アップルの製品が今や技術的に優れているとは思えない。
だけど、それを覆い隠してひっくり返すくらい、ソフトウェアが素晴らしくできている。
特に、iTunesをコアとするエコシステムが。

だから、VAIOが存在感をなくしていったのって、ソニー製品をつなぐコントローラーになれなかったからだと思う。
ウォークマンとの関係性を考えてもSonicStage(だったかな?記憶がおぼろげ)、X-アプリ、MediaGoへと変遷している。
これ自体は仕方がないとしても、結局個と個のつながりだけ。
nasneとの関係性を考えてもそう。
結局は個と個の関係。
コントローラーもしくはハブになる存在が見えてこない。
ユーザーが何を求めているのか。
もはや、個と個のつながりではないと思う。
様々なアイテムとつながる衛星アプリはたしかに必要だが、すでにそういう次元ではないと思う。
たとえアプリとしては個の存在だとしても、UIの統一であったり、コントローラーの存在であったりが必要な次元だと思う。
それがソニー製品すべてに行き届いて初めて「ONE SONY」なのではないのかな?
おいらはそう思うんだ。
だから、VAIOが存在感をなくしていったのは「VAIOをONE SONYのコアにしなかったから」だと思う。
PCなんて、一番コアになるべき存在だと思う。
いや、スマホでもタブレットでもいいとは思うけど、端末としてもスペックであったり、機器としての制約具合を考えたらまだまだスマホだのタブレットではその域には達していない。
要するに、荷が重いんですよね、まだまだ。
そういう意味ではPCは今や成熟期にあるわけだから、もってこいなんだと思うけどな…おいらは。

まあ、所詮はおいらの戯れ言だから。
ちょっと、残念だなぁって思う気持ちと、日本のメーカーという企業の相変わらずのソフトウェア戦略の低ウェイトさに嘆いてしまっている今日この頃なのでした。

  1. [1]日本製は安心だが使い勝手は最悪だね « まいにち@ぐだぐだ

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