会社の社員研修の課題本『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』。

the_goal『TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)』という生産管理の理論を詳説した手にしてわかりやすく表した本です。
ものすごいボリュームがありますが、小説として読む分には悪くないと思います。
ただね、大きさがいけません。
何でこのサイズ?何でこの紙質??
もっと小さくして、もっと紙質を文庫並みにしてくれればもっと手軽に読めるのに。
読むためには机の上にドンッと置いてみなければいけないのはちょっと残念です。
まあ、これも価格を維持するのと、あくまでもビジネス書だよと言う為なのですかね…。

制約条件の理論とは、簡単に言えば、『一番ネックになる作業を基準に流れを考える』と言うモノ。
要するに、個々の工程の能力で全体の能力を決めても意味がないのだと。

何処まで本当のことなのか、判らないですけれど。
この本は『日本で翻訳・出版してはいけない』という著者の要望があったのだと言う。
何でも『日本人は部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。[ref]『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』カバーに記載の紹介文より抜粋[/ref]』とし、この本で述べている『全体最適化』の手法を日本人に伝えると貿易摩擦が再燃して世界の経済がだ混乱してしまう…という懸念があったと言うことのようです。
日本人は部分最適化に長けている…のではなく、日本の企業のあり方自体が『全社主義』の傾向が強いので自然と全体を通してモノを考える風土なんだと思うのです。
それに対して海外では『個人主義』の傾向が強く、全社の中でも個人の実績が重んじられる傾向が強いのだと思います。
だから、海外の企業では個々の工程の能力、効率を追求しがちなんだと思うのですが…。

こういう風に『理論』としてとらえることはすばらしいことですが、日本人は昔から当たり前のようにやってきたことなだけなのではないのだろうか…と思うのはおいらだけでしょうか。