TPPにネガティブでくだを巻く
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定 – Wikipedia)。
太平洋を臨む主要国間での貿易にに関して、関税を撤廃して自由貿易圏を作ろうか?
とでも言うモノなのかな?
関税が撤廃されることにより、輸出産業をベースとする経済界には歓迎ムードだが、農業を初めとする産業界では反対ムードだね。まあ、農業を初めとする産業界の言いたいことは判るよ。
TPP何かない今の状態ですら危機的なんだからね。
反対する以外にはないやね。
一見、輸出産業を初めとする経済界にはものすごいメリットがあるように思われているが、本当にそうなのか?
いや、輸出産業には確かに好材料なんだろう。
なんたって、関税がなくなるんだ。その分、安く売れるからねぇ。
でもさ。
それって、本当?
わかりやすい例として、家電業界。
今、韓国企業に押されているよね。
なんで押されているの?
タダ単に値段で負けているだけ?
違うよね。
値段では間違いなく負けているけど、それだけじゃないよね?
一昔前の日本企業の立場と同じだよね。
安いんだけど、安かろう悪かろうではない。値段に見合ったモノを提供できている。
だから、選ばれる。
それに対して、日本企業のモノはどうだ?
グローバル化などという値段競争に目がいくだけで、値段にあっているモノが提供できているのか?
たぶん、『否』だ。
日本の企業が作るモノは『使う人の視点』が欠けている。
携帯電話端末なんかいい例じゃないか。
技術競争に明け暮れて、使い勝手を提供できていない。
技術競争なんて、狐と狸の化かし合いのようなモノ。
それに対してどうだい?
優れた使い勝手を提供できているモノは値段なんか関係なく選択される。
孤軍奮闘するiPhoneが世界規模で売れているのは値段じゃないよな?
日本の例がいい例じゃないか。
『電波が悪くて繋がらない!』
でも、売れているよな。
つまりはそういうこと。
値段なんて、ファクターの一つであって、それだけで決まるモノじゃない。
だから、関税がなくなったくらいで輸出産業が盛り返せるとはとうてい思えない。
仮に、関税がなくなることでフェアな立場になるとしよう。
日本という国は物価が高い。
世界的に見たら決して高くないとか言う偉い人がいるが、同じものの値段をあっちの国と比べても意味はないと思うが?
要は、同じモノを収入に対してどれくらいの割合で手に入れられるのかが物価の高い安いという目安じゃないのかね?おいらはそう思う。
だから、日本は高い。とにかく家賃が高い。土地代が高い。
一番人口密度の高い東京で、収入の20~25%を居住費が締めると言う時点で物価は安いとは思えないがね。
脱線したがw
要するに、物価が高いと言うことは労働対価も高くせざるをえないと言うこと。
で、これがどう絡むかというと、輸出産業とか言いながら、国内では製品単価が上がるから製造することが出来ないと言うこと。
だって、高いモノを作っても売れるものを作れないからね。
なんだかんだ言って、値段で勝負するしか出来ないのよ。悲しいことだけどね。
だから、日本企業は、物価の安い国に工場を作って、そこで製造して、輸出という形にする。そうすることで、競争に参加できるから。
で、税金を払う。
ここがお役所にとっても美味しいし、企業にとっても利益が確保できるからウィンウィンだ。
でもさ。
儲かるのは企業という入れ物だけで、日本国内の景気には一切関係がないよ、たぶん。
景気というのはお金が廻って初めて上昇するモノ。
企業は儲かっても、次への投資と言って製造ラインを増やすだろう、海外にね。
国内には増やさないよ。経費が高く付くから。
国内にラインを作らないのなら、儲かるお金は何処に行くのだろう?
たぶん、海外のラインの現地採用の人件費等と営業部門のごく一部の人件費だな。
あ、そうそう。役員報酬は忘れちゃいけないな。
儲かった分は、堂々と要求できるモンな。いいよな。
つまり、儲かったって、雇用は生み出さないと言うこと。
企業は赤字になれば税金を払わなくていいに近いけど、庶民は生活費が赤字でも税金は先取りだもんな。この不満は何処に持っていけばいいのだ??
さて。
懲りずに、また脱線したがw
雇用を生まなければ国内で消費活動が活発になるわけがないよな。
確かに、年金の不安だのと言う要素はあるとは思うが、それはたぶん、そんなに大きくない…というか、それを今ものすごく気にしている余裕のある人はごく一部だと思う。
やはり、一番大きなファクターは収入だよ。
未来が確かな雇用が既に存在しなくなり消費を控えるようになった。
まさしく、これは新自由主義恐慌だね。
こんなに消費活動が冷え込んでいるというのに消費税を10%にするなどと宣言をしてさらに、冷えなきゃいいがね。
そもそも。消費税というのは消費が増えなきゃ税収は増えないモノ。
雇用が不安定な状況下で10%にアップしても、税収はたぶん増えない。
なぜならば。
財布の中身は変わらないのだから、当然5%分、消費を控えるだろ。
当たり前だよな。
だから、庶民全体に占める消費に費やされる予算に変化はない。
つまり税収も増えないし、限られたパイの取り合いで企業が疲弊する。
企業が疲弊すればますます雇用を控えるし、値段競争以外の価値を提供できるモノなんてとうてい作れない。だって開発費が真っ先に削られるからな。
そして、ますます国外に製造ラインを移転させるようになるさ。
TPPに参加することによりメリットが生じるのはスケールメリットを生かして値段競争も出来るし、開発能力もある合衆国以外にないとしか思えないんだけどね。
グローバルスタンダードも結構なことだが、そこで作ったモノはそこで消費する。
この最低限の経済循環が醸成されなきゃ所詮はいいことなんかちっとも起きはしないと、おいらは思うのだが。
[claudia voice=39]こういうネガティブ論はいくらでもわき出るぞっ!w[/claudia]