ねこシス

人間に化けることが出来る『猫又[ref]猫又 – Wikipedia
実際には人に化けるというのは一部の伝承によるものらしいのですが、本書では人間に化ける術を会得する…という設定になっています。[/ref]』という猫妖怪3(4??)姉妹のお話です。

猫が人間に憧れる

『猫になってみたい』
そう、思ったことはありませんか?
猫になれたらいいだろうな。
一日中、家の中でごろごろしてても誰にも文句を言われないし、好き勝手に出歩いても誰も咎める者は居ないし。
人間がそう思うのですから、逆に猫が人間になってみたいと思ったとしても、不思議なことじゃないのかもしれません。

人間に化ける術を会得して、人間として生きている姉と妹を横目に、なかなか術を会得できない猫又が、念願叶いやっと人間に化けることが出来るようになった。
しかし、この術。
一度会得すると、今度は逆に猫の形態を維持する事が困難になってしまう。
人間に化ける術を会得する=人間として生きていく
と言うことになってしまう。
人間の世界は猫の世界とは大違いで、複雑で良いことも悪いことも桁違いになる。
だから、1週間。
人間を体験し、その間に人間として生きていくのか、猫に戻るのかを決断せよと。
その1週間の出来事を4話構成で綴られています。

後書きで作者も語っていますが、このお話は作者の人気作『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』シリーズの『プロトタイプ的な位置づけの作品』だそうです。
当初はこちらがシリーズ化される予定だったそうですが、残念ながらシリーズ化には至らなかったそうです。
『プロトタイプ』と言うことですから、この作品の一部分が『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』シリーズに流れ込んでいます。
本来ならば、これを読んでから『俺の妹が…』を読むべきなのでしょうが、『俺の妹が…』を読んだ後で『外伝的』に読むというのもおもしろいですよ。
特に、第2話は『黒猫』のファンには大歓迎でしょう。

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の原作小説の9巻が9月10日に発売することが決まったようです。

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ねこシス
ねこシス
電撃文庫
著者 伏見つかさ
出版社 アスキー・メディア・ワークス
発行年月日 2009年10月
サイズ/ページ数 文庫/275
価格 ¥577
ISBN 978-4-04-868071-4
概要 人間に憧れる猫又姉妹の三女・美緒は、14歳にして、ようやく人間の姿に化けられるようになった。そのまま人間として生きていくかどうかは、まずは人間世界を体験してから決めろ—長姉にそう命じられた美緒は、人間を理解するために、七日七晩、人間の姿で過ごすことになる。慣れない二足歩行をはじめとして、人間の言葉、人間のお風呂、人間の友達、人間の恋愛—何もかもが初体験の美緒は戸惑うばかりで…!?『人間嫌い』の長女・かぐら。『人間の文化に傾倒』する次女・千夜子。『人間が大好き』な四女・鈴。そして『人間になったばかり』の三女・美緒。柄も性格もてんでバラバラな四姉妹が繰り広げる、ネコ耳ホームコメディ。
おいら的評価 [rating=5]